OpenAIが2022年11月に公開したChatGPTは、アクティブユーザー数が、わずか2か月で1億人を突破しました。特に日本のユーザー数は世界的にも多いとされています。
この記事では、有料プランであるChatGPT Plusのユーザーに焦点を当て、Zaimの家計簿データをもとに、ユーザー像を詳しく調べてみます。
(データ対象期間:2023年2月〜2023年6月)
Zaim トレンド総研 レポーター yuni・亀岡洋介
記事のサマリ
・ChatGPT Plusの課金ユーザー数は増加傾向
・課金ユーザーの属性にみる特徴は「若年層の男性技術者で自己投資への支出が比較的多い層」
・課金ユーザーが利用しているサービスに見る特徴は「自己研鑽とスマートなライフスタイル+エンタメ」
ChatGPT Plus の課金ユーザー数
ChatGPT Plus は 2023 年 2 月にリリースされました。リリース後からのユーザー数の推移を見てみます。
家計簿データからみると、ChatGPT Plus への支出があるユーザー数の推移を見ると順調に増えていることがわかります。
ChatGPT Plusへの支出があるユーザー数の推移
属性から見るユーザー像
主なユーザーは20~40代の男性
性別では、圧倒的に男性が多く、全体の80%ほどになっています。また、年代は 20 ~ 30 代と、若年層の割合が多いです。
性年代ごとの構成比
多くは技術職や自営業で、高収入層であり自己投資を重視
ChatGPT Plus のユーザーの年収の中央値は 400 万円、その他のユーザーの年収の中央値が 330 万円であることから比較的生活に余裕がある層といえます。
年収ごとのユーザー数割合の分布
職業別で見ると、技術系職種、会社員、自営業、フリーランスの割合が多い結果となり、開発やビジネスシーンでの利用が多い傾向があります。
職業ごとの構成比
支出カテゴリをみると通信、教育・教養への出費が多く、最新技術への投資や、自己研鑽を重視する傾向があるといえます。
支出カテゴリ(一部抜粋)ごとの構成比
このことから、ChatGPT Plus ユーザーは、最新の技術動向にアンテナを張りつつ、教育・教養への投資を行う、最新技術に興味・関心のある層といえます。
外部アンケート調査との比較
ここで、野村総合研究所が2023年6月におこなった調査結果との比較をしてみます。(引用: 日本のChatGPT利用動向)
この調査によると、性別及び業種別のChatGPT 認知率・利用率は
『性別では男性の比率が高く、認知率では77.2%(男性)対60.1%(女性)、利用率でも21.6%(男性)対9.0%(女性)と大きな差がみられます。職業別では、認知・利用ともに最も高いのは情報通信(認知率88.4%、利用率32.8%)であり、次いで製造(認知率75.6%、利用率19.2%)となっています。』
とあり、前述の Zaim 家計簿データにおける ChatGPT Plus ユーザーと共通点が多いことがわかりました。
購買履歴から見るライフスタイル
次に、実際の支出項目から、ライフスタイルを探ります。ChatGPT Plus のユーザーとその他のユーザーを比較して、ChatGPT Plus の方が利用傾向が強い商品やサービスを具体的にピックアップしました。
テクノロジーと自己研鑽への投資: 進取の精神
Midjourney や DeepL、Adobe、GitHub、OpenAI などのAI・技術系サービスへの支出が多いことから見て取れるように、進取の精神を持ち、最新技術に対する強い興味を持っていると考えられます。また、自己研鑽の一環として、Udemy、NewsPicks、Kindle Unlimited などのプラットフォームを積極的に活用し、スキルの向上や知識の拡充に努めていると思われます。
スマート生活とエンターテインメントへの関心: 快適で楽しい生活の追求
CAMPFIRE や Makuake、ファンティアなどの支援型プラットフォームへの支出が多いことから、クリエイティブなプロジェクトへの興味や社会的な貢献への消費も高い傾向を示しています。生活面では、Netflix や DAZN、nosh、Uber Eats などのサブスクの利用が多く、日々の生活を便利で楽しく過ごす工夫が見て取れます。
さらに、SwitchBot や SADIOT LOCK などのスマート家電、Google Pixel Watch などの最新ガジェット、3D プリンターの材料への消費傾向が比較的高いことから、先端技術を取り入れたスマートな生活を志向していることが伺えます。Steam、ニンテンドーストアなどのゲーム好きな面も特徴的です。
まとめ
家計簿データからみる ChatGPT Plus のユーザー像を深掘りして分かったことは、表面的には、若年層男性の会社員、技術者という属性的な特徴がみられました。一方で、具体的な消費面に目を向けると、技術への興味やゲームへの関心のみならず、教養・教育への支出が多く、自己研鑽と進取の精神を持ち、最新技術への探求と自身の成長に対する投資を怠らない姿が垣間見えました。また、スマートな生活の実現とエンターテインメントへの関心の高さから、日々の暮らしを楽しみ、快適に過ごすための独自のライフスタイルを築いていることも伺えました。2023 年 6 月時点における日本の ChatGPT Plus のユーザーを家計簿データから紐解くと、未来を見据え、自己成長と楽しい生活のバランスを追求する先進的な生活者像をイメージすることができました。
各業態やアイテムの詳細レポートをお求めの方はこちらにお問い合わせください。
問い合わせ:biz@zaim.co.jp
レポートイメージ